『源氏物語』を読みなおしてみたい。
そんな気持ちになったのは、ドナルド・キーンが亡くなった時でした。
平成31年2月24日に亡くなったドナルド・キーン。
キーンの忌日を「黄犬忌」といいます。(「黄犬忌」の由来)
今年の「黄犬忌」は過ぎてしまいましたが、ドナルド・キーンを偲んでみたいと思います。
ドナルド・キーンが源氏物語の英訳を読み日本文学に魅せられたことは有名です。
源氏物語は中学生ならその作品名・作者名を多くが知っている紫式部の長編小説。
しかし、その全てを読んでいる人は大人でも限られていると思います。
この機会にお勧めしたい。源氏物語に、ほんの少しでも触れることを。
理由は、高校で一度は学ぶ作品だからです。
『源氏物語』を現代語訳した作家には
与謝野晶子
谷崎潤一郎
窪田空穂
円地文子
田辺聖子
橋本治
瀬戸内 寂聴
大塚ひかり
今泉忠義
玉上琢弥
尾崎左永子
中井和子
林望
角田光代
他にもいるかもしれませんが、調べきれていません。
つまり、これだけ多くの作家たちを魅了している作品でもあるのです。
ちなみに英訳は末松謙澄が一番最初だと思われます。
キーンの膨大な著作の中で『日本文学史』が中公で文庫化されています。
その分量に圧倒されますが、評論(日本文学思想)、日本文学史が並行して学ぶことができます。
全編読破するのに私は半年以上かかりましたが、大学受験国語の学習に役立つなと思いながら読みました。
と、同時に「VICの生徒で、この内容を入試に出されたら何人が太刀打ちできるか・・・」とも思いました。
大学受験生は『古代・中世編』だけでも一度、手にとってみてほしいと思います。
入試の時期は終わりを迎えようとしていますが次の入試はもう、始まっているのです。
東蒲田校室長より